江幡公認会計士税理士事務所
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2019年01月号 第017回「無駄の基準」
ビジネスにおいて、何が無駄で何が無駄ではないのか。
国語辞典によると、そもそも、「無駄」とは、「役に立たないこと。それをしただけのかいがないこと。」と定義されていますので、何かの役に立つこと、それをしただけのかいがあること、であれば、無駄ではないということになります。
例えば、どこにどれだけコストをかけるかという場面では、無駄かどうかの判断は、まさに経営判断なのだと思います。
百貨店を観察していると、様々なヒントを得られます。最近改めて目に留まったのは、日本橋高島屋さんのエレベーターガールです。ひと昔もふた昔も前であれば、都心でも地方でも、エレベーターガールはどの百貨店にもいました。銀座伊東屋さんにもいました。
しかし、近年は、エレベーターガールいるエレベーターは減少傾向にあるように思えます。
百貨店のエレベーターガールの役割は、単に行先階のボタンやドアの開閉ボタンを押すだけではありません。まず、エレベーターガールは百貨店の顔です。
そして、各階の説明、到着時のアナウンス、上に行くか下に行くかのアナウンス、混雑時の客の誘導、搭乗客がいない階の通過操作など、様々な役割を遂行していると思います。
逆に、エレベーターガールがいないエレベーターはどうかというと、雰囲気が重くなりがちです。混雑時には、下手をすると行先階のボタンを押せない、降りることができない、降りる時にドアがぶつかって痛い、各駅停車の場合、操作盤の前に居る人がエレベーターガール的な役割をしなければならず、それをしないと周りから無言の圧力を感じるなど、不愉快な思いをすることがあると思います。
折角ショッピングを楽しんでいるのに、エレベーターの中で不愉快な気持ちになりたくはないですね。
こうしてみると、エレベーターガールは、客の気持ちを和やかにする役割を通して、客の購買意欲を促進し、客の百貨店に対する愛着を生む役割も果たしているのではないかと思われます。何が無駄で何が無駄ではないのか。深度ある経営判断が求められています。
江幡 淳
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