江幡公認会計士税理士事務所
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2020年11月号 第039回「嘘と理想」
財務諸表においては、「不正」と「誤謬」という二つの概念があります。
不正とは「意図的な虚偽の表示であって、不当又は違法な利益を得るために他者を欺く行為を含む。」とされ、誤謬とは「意図的でない虚偽の表示であって、金額又は開示の脱漏を含む。」とされます。
つまり、同じ嘘でも、意図的かどうかが分かれ目となります。嘘はどのように見破ることができるでしょうか。これには、物事の結論を鵜吞みにせず、様々な情報を収集し分析するしかありません。
その際重要なのは、客観的な情報を基に、自分の頭で考え、矛盾点を炙り出し、嘘を崩していくことです。
理想にも騙されがちです。理想は聞こえがいいですが、騙すために理想を利用する場合があります。
例えば、「Aは素晴らしいことです。BをするとAになります。」という場合、そもそも本当にAは素晴らしいことなのかどうかが問題です。また、そもそもAは世間一般の人に実現可能なことなのかが問題となります。また、「Aは素晴らしいことです。BをするとAになります。」と言うと、それを聞いた人が、それを聞いただけでその気になり、やった気になるので、商売になるケースがあります。
理想を追求するのは良いことですが、現実から逃避して理想を追い求めると、現実の活動を放棄し、結果として停滞する場合があります。
ビジネスにおいて嘘と理想に足元をすくわれそうになった時は、情報や現象を鵜呑みにせず、「それは本当なのか?実際はどうなのか?」と自分の頭で考え、判断を下すことが重要です。
江幡 淳
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