2021年03月号　第043回「効率以外の概念」

インターネットの様々な討論番組に没頭しておりました。
ルサンチマンがあるのではないかと自省しつつ、改めて「効率」という概念について考えさせられました。

学者NTは、「効率化できるものは定量化できるものだ。」と言います。数字で示してもらわないと効果測定ができないということです。
古いやり方が気に食わないから、前例が気に食わないから、といった定量的根拠なき理由で、あるアクションと称した破壊活動をやられたのではたまってものではありません。

しかし、重要なのは、効率という概念だけではなく、あるアクションを起こす時に、効率以外の概念も検討したかどうかということです。

学者NSは、「物事を円とし、物事の切り口を直線だとすれば、たった一本の直線と円の接点についてのみ論じたところで、十分に議論したことにはならない。ましてや、一本の直線についてのみ延々と議論して検討した気になるのはいかがなものか。」と言います。

企業活動においては、効率という概念が重視されますが、これまでに起こしてきたアクションの結果を分析すると、効率以外の概念が大きく影響していることに気が付くはずです。

東京駅の駅舎がなぜ復元したのでしょうか。

経営に関しても、歴史、文学、国家主権、地政学など、多くの側面から検討することで、深みのある経営判断ができるのではないでしょうか。

江幡　淳