江幡公認会計士税理士事務所
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2021年09月号 第049回「御本拝読 其の一」
実務を深めるために会計を学び直したいと思ってきた。
現役会計士大先生の体験談、昔の会計士大先生の随筆、昔の学者の著書に触れる機会はあった。時には通販で本を買ってみた。
しかし一向に進まない。
閉塞感の中、この期に及んで、自分には会計学の恩師が居らっしゃる事に気付いた。
情報のつまみ食いも結構だが、一人の会計学者の研究成果を学ぶ事により何かを体系的に理解できるはずである。恩師の御本拝読を始めた。
御本拝読其の一は、「友岡賛『近代会計制度の成立』有斐閣,1995年」である。
私にとって最も重要と思われた用語は「約束」である。
「そうすると、会計制度は、会計にかんする約束が社会的定着性をもったもの、ということになるのである。」(同pp.1)には、大きな示唆があると思われる。
すなわち、約束をする当事者が居て、これは会計という分野の埒外かもしれないが、約束を実行する者の道徳観と約束を託す者への忠誠の高さ、そして、約束を託す者の約束実行者に対する赦しを含めた期待の程度こそが、会計制度を決定するのではないかと思われるのである。
この事は、「ここであえて極言すれば、株主の納得がえられさえすればそれでよいのであって、さらに極言すれば、監査の実質、会計の実質は、ある意味において、どうでもよいことなのである。」(同pp.250)と述べており、いかなる意味であれ「どうでもよいこと」か否かは別にして、約束の当事者によって会計の実質が異なるのだから、会計制度は一様ではないと解するべきなのである。
そして、私は、「とどのつまり、ひとはつねに利己するものであって、会計プロフェッションもまた例外ではない。」(同pp.168)という事を重々承知しつつ、私なりの史観を踏まえ、約束の当事者として伝統的日本人を想定し、日本の会計制度の変遷について、いつか研究したいと考えている。
江幡 淳
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