2023年01月号　第065回「武士道－誠－」

武士道は「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」の七つの徳目から成る。
「至誠一貫」という我が母校の校是でも示されている「誠」について再考した。

思えば、14年前の独立開業後しばらくは、「何を成すべきか」の追求に多くのエネルギーを注いでいた。
「自らが保有する国家資格にこだわらなくてもよい。独自性のある何かを成したい。」とまで考え、いつも青い鳥を探していた。

数々の自己啓発的なモノに手を出した。紆余曲折の結果、「独自性など見つけて成るものでは無い。」という事と、「自らが保有する国家資格の独占業務こそが青い鳥である。」という事に、5年の歳月をかけてようやく気付いた。

共同経営者である妻の日々の仕事振に触発された事も大きい。私には「誠」が欠落していた。

誠とは、「言った事を成す事」である。武士に二言は無い。武士である以上、銭勘定を嫌い、誠の精神に基づき証文さえも作らない。

自分に置き換えれば、公認会計士・税理士である以上、（人の銭勘定はするが）言動に責任を持ち、公認会計士・税理士としての誠を尽くす。
誠とは目の前の仕事に全身全霊を注ぐ事である。

新春を迎え、皆様の御健康と御多幸を、御祈り申し上げます。

江幡　淳