2025年11月号　第099回「預金通帳だけで経営管理ができるのか？(10)」

今回のテーマは「資本金」である。個人事業主であれば「元入金」である。

1991年4月1日商法等改正により、最低資本金が、株式会社は1,000万円、有限会社は300万円と定められ、最低資本金制度が導入された。
その後、2006年5月1日会社法施行により、最低資本金制度は廃止され、株式会社は資本金1円から設立できるようになった。
　
制度が如何に変われども重要な事は、ビジネス・モデルに応じて必要な資本金を払い込み、利益を出して資本を増強し続けていく事である。

「資本金は1円でOK！」とかそういう事ではなくて、正当にしっかりと稼いで会社を継続させていく事を喜びとして頂きたい。
　
さて、これまで10回にわたって「預金通帳だけで経営管理ができのるか？」について書いてみたが、正直なところ、初回に(01)と、続き物を前提とした番号を書いてしまったので10回まで続けてみた次第である。

結論は、「預金通帳だけでは経営管理はできない」である。

経営管理上、入金と出金を見るだけでは把握できない情報が沢山ある。
入金と出金だけでは把握できない情報をも経営管理対象と捉え、それらの情報を把握・分析し、具体的な改善行動に移す。
この繰り返しこそが経営管理であり、経営管理の面白さではないだろうか。

江幡　淳