江幡公認会計士税理士事務所
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2018年04月号第008回「経営資源を確保するために」
日本のみならず、世界的に有名な指揮者である小澤征爾さんは、かつては、「日本人に西洋音楽が分かるのか。」、「日本人なのに、よくそこまで分かったね。」といったことを言われたそうです。心無い言葉にも聞こえますが、ある意味、やむを得ません。例えば、琵琶歌を心底愛するオーストリア人が琵琶歌を披露したとしたら、日本人の聴衆の中には、「オーストリア人に琵琶歌が分かるのか。」、「オーストリア人なのに、よくそこまで分かっているね。」と思う方がいるはずです。
小澤さんがその点をどのように克服していったかというと、徹底的な「勉強」です。小澤さんの師匠は、日本を代表する音楽学校である桐朋学園の創始者の齋藤秀雄(さいとうひでお)先生です。齋藤先生の指導は非常に厳しくて有名で、1に勉強、2に勉強、3、4がなくて、5に勉強というほど、徹底的な勉強の必要性を説きました。そのような指導を受けた小澤さんの日課は、朝5時から9時までの楽譜の読み込みです。上演に6時間もかかるオペラの900ページもの楽譜を暗記する、ベートーヴェンの交響曲を完全に暗記して全て書き出すなど、あたかも、その曲を自分で作曲したと言えるくらいまで咀嚼し、納得する。並大抵のことではありません。そうした小澤さんの指揮する演奏は世界的に人気が高く、チケットも高額です。小澤さんご自身はそう思っていないのかもしれませんが、徹底的に楽譜を読み込み、研究することにより、欧米人の作り上げた西洋音楽の真髄にまで迫る、という高みに達したのではないでしょうか。
小澤さんの活動は芸術であり、ビジネスとは言い難いですが、小澤さんの活動をビジネスに置き換えるならば、そのビジネスの重要な経営資源は、音楽的知識、音楽的感性、統率力だと思います。小澤さんは、日々、徹底的に勉強することにより音楽的知識を得、圧倒的な音楽的知識により音楽的感性が磨かれ、磨き上げられた音楽的感性に演奏家が魅了され小澤さんの統率力でオーケストラが統率され、聴衆は感動する、といった好循環を生んだのではないでしょうか。
ビジネスにおいて、経営資源が足りないと感じる時、小澤さんのようにとまではいかなくとも、勉強はできるはずです。経営者たる者、一生勉強です。どうしても足りない経営資源を、どうしても手に入れたい場合や行き詰まりを感じる時ほど、新しい視点、信念が生まれる良い意味での前兆なのです。
江幡 淳
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