2018年06月号第010回「マネジメントゲーム」

先月「戦略ＭＧインストラクター協会」の講義を受け、「戦略ＭＧインストラクター」の資格を取得しました。ＭＧとは、「マネジメントゲーム」の略称です。

皆様はマネジメントゲーム（以下「ＭＧ」）をご存知でしょうか。


ＭＧとは、一方的に受講者に知識を伝達する従来の講義スタイルとは異なり、参加者一人一人がゲーム形式で会社を起業し、経営し、経営活動のさまざまな意思決定を実践していく能動的学習です。経営を疑似体験し、ゲーム参加者と経営成績を競いながら、経営戦略思考と実務に役立つ会計思考を、楽しく学ぶことができます。ＭＧは「人生ゲームの経営者版」として、自由・自立の精神を身につけ「自ら考え行動する人財」づくりの強力な研修ツールです。ソフトバンクの孫正義社長は、後継者を育成するためのツールとして活用されています。


ゲームなのでとても楽しい上に、実に奥の深いものでもあり、ゲーム終了後に経営成績を振り返ることにより、様々な気付きを得ることができます。


どのような点で奥が深いかというと、ゲームの経営成績に現在の自分の器が投影される点です。ＭＧの製造業版では、約１時間を１期とみなし、所定のルールと資金的制約の下で、設備投資を行い、従業員を雇用し、材料を仕入れ、工場で製品を製造し、販売する、といった一連の経営活動を繰り返します。「値決めは経営なり。」という言葉もあるように、販売においては、値決めが非常に重要です。


また、ゲーム進行中には様々な災難が起こり、それを乗り越えていく必要があります。投資をし過ぎてもお金がもちませんし、消極的過ぎても会社は一向に成長しません。ある期は積極経営し、ある期は消極経営して、結局は元の木阿弥に戻ることもあります。


ゲーム終了後は、社長自ら決算を行います。この決算作業も重要で、在庫とキャッシュフローの関係など、会計特有の思考を、身をもって理解することができます。


今後、弊事務所では、経営者・経営幹部候補者、これから起業したい方向けにＭＧを主催して参ります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　江幡　淳