2023年09月号　第073回「自ら結論を出す」

原因がすぐに結果を出すとは限らない。数年、数十年という時の経過によって出る結果がある。

或る事象が起こったその時、その事象を受け入れ難かったとしても、数年後、数十年後に、自分や周りがどのような状態になったかを見て、その事象の意味を理解する事がある。
つまり、歴史が証明するのである。

歴史が何かを証明してくれるのだから、歴史を勉強する事は有用である。出来れば、社会観や人生観が自分と近い歴史学者の下で学びたいものだが、それが困難であれば、独学すればよい。
独学で歴史を学ぶ際に留意すべき点は、客観的な情報を基に自ら結論を出す事である。

学校教育、有名学者、多数派の言う事を鵜呑みにする事は禁物である。
焚書坑儒された情報を含めて、出典の明らかな情報を収集し、情報を分析し、今後の自分の人生に活かすべく、自分なりの結論を出す事である。

これは歴史に限らない。情報収集、情報分析、結論という行為を反復継続する事は、あらゆる分野で活用できる。

私の業界で言えば、情報収集、情報分析、結論とは、是即ち「公認会計士監査」である。
情報を地道に収集し、丹念に分析するという刑事（デカ）のような姿勢が、時には必要であり、社会を浄化すると思われる。

江幡　淳